#35 自販機オペレーターのM&A

自販機オペレーターの歴史

清涼飲料水の自動販売機は、全国で210万台(出典:一般社団法人日本自動販売システム機械工業会、2019年12月末時点)あります。これらの自動販売機すべてに対して、定期的に清涼飲料水を補充する自動販売機オペレーター(自販機オペレーター)が全国にあります。

 

大小様々な企業がありますが、大手ではコカコーラ系、サントリー系、アサヒ系、キリン系、ダイドー系などドリンクメーカーのグループがあり、独立系としては八洋さんが有名です。

 

日本で本格的な自動販売機の製造と設置が始まったのは、日本コカ・コーラさんのwebページによると1962年であり、缶入りの清涼飲料水自動販売機の導入は1970年、ペットボトル入りの清涼飲料水自動販売機の導入は1997年となっています。

 

自動販売機の普及台数推移を確認すると、1970年から1984年ころまで急激に増加していることから、この時期に自販機オペレーター事業者も増えていったものと推察できます。

 

今年は2020年ですから、起業して36〜50年ほどの事業者が創業後1代で経営可能(25歳で起業した場合、創業者は61歳〜75歳)な業界であり、まさに事業承継問題が足もとに迫っている業界であるという認識をしています。

新型コロナの影響

コンビニの店舗数増加等の影響もあり徐々に売上が減少してきている自動販売機の業界に対して、今回の新型コロナウイルスによる環境の変化はどのような影響を与えるでしょうか。

 

もともと自販機オペレーターの利益率は高いものとはいえず数%(1ケタの前半)といった話を聞いたことがあり、また固定費率が高い(労働集約的であるため、主には人件費)産業でもあります。

 

つまり、売上の減少によって一気に利益が吹き飛んでしまうということ。また、業界としても右肩下がりであるため銀行融資も難しいと推察されます。

 

新型コロナの影響による自粛が行われたため、パチンコ等の遊戯施設の売上は大ダメージを受け、在宅が進んだためオフィスでの売上も大ダメージを受けていると考えることができます。反対に、地方の田舎に設置されている自動販売機のほうが上にあげたような場所に設置されている自動販売機よりも相対的にダメージは少なかったかもしれません。

 

このような状況下、中小規模の自販機オペレーターで業歴が長く純資産があるところは「廃業」を選び、目も当てられないほどの業績になったところは「破産等」を選んでいくものと考えています。

M&A(事業承継)の活用

苦労しながらもなんとか続けてきた事業を辞めてしまうことは苦渋の決断です。

 

売上、収益状況によらずM&Aはすべての企業で検討することができる経営手段の一つです。自販機オペレーターの業界では、商圏そのものが価値を持ちますのでその部分を評価し、M&Aを進めていける可能性があります。

 

廃業、あるいは清算を考えている自販機オペレーターさんがいらっしゃいましたら、まずは弊社までご相談ください。事業を継続していく方法を一緒に考えましょう。

#34 早ければ早いほうが良い

なぜ、早いほうが良いのか?

いつから戦略的なM&Aや事業承継について検討を始めたらよいか?

 

結論はタイトルにあるとおり、「早ければ早いほうが良い」です。

 

理由はそのほうが①経営をしていく上で選択肢を増やせる、②案件を進めるかどうかは都度判断できるが、急いでM&Aや事業承継の話をまとめようとすると交渉力上で不利になることがあるからです。

 

なお、ここでいう戦略的なM&Aとは「事業を譲ることを前提として事業を始めた」「事業を継続・発展させるためにM&Aを活用する」といった取引背景のことを指し、事業承継は後継者不在等を背景とした取引を指しています。

「認めること」から始める

とくに事業承継において最も大事にしていただきたいこと。それは「認める」ということです。

 

何を認めるのか?

 

・自分が経営者として手腕をふるい経営できる時間には限りがあることを「認める」

・わかっていながら、なんとなく事業承継を先送りにしてきたことを「認める」

・競合関係を俯瞰してみると自社が不利な立場になり始めていることを「認める」

・振り返ってみると社内で経営者を育ててこなかったことを「認める」

 

などなど。

 

頭ではわかっているし、気づいているけれども向き合ってこなかったことを「認める」ことから事業承継は始まります。

 

この「認める」という作業は辛いものです。

だからこそ、切羽詰まってくる前、つまり時間にも心に余裕があるときに向き合って「認める」という作業をしていただきたいのです。

 

ここまで「作業」と書きましたが、経営者にとって最後の大仕事こそ「認める」ことであり「事業承継を考え、実現する」ことです。

 

私は経営者との対話を通じて一緒に考え、親族内であれば親族内でスムーズに進むような助言を、社員であれば経営権と財産権をスムーズに移せるような取引内容の立案(MBOやMEBOといった取引の立案)、そして第三者へ承継するという場合には事業を継続し発展させることが期待できる相手方の探索と一気通貫したフォローを提供しています。

 

2019年に消費税の増税に伴う経済の悪化、そして2020年の新型コロナウイルス。経営を取り巻く環境は残酷にも猛スピードで変化しています。今一度立ち止まって、自社の事業をどのように承継していくのか一緒に考えていきませんか?

 

弊社への問合せはこちらから。お問い合わせいただきましたら24時間以内に返信しております。また面談は、実際に面会する機会をいただく、あるいはオンラインで面談するというどちらの方法でも対応できますので相談をさせていただければ幸いです。

#33 廃業を検討する前に

消費増税、そして新型コロナウイルス

2019年の10月から実施された消費増税に対応するため、新しいシステムの導入やシステムの改修等を通じて投資が必要となった企業が多くあります。また、この投資に見合わないと判断し、このタイミングで廃業を決断された経営者の方が弊社の関与先にもありました。

 

この投資よりも経済を苦しめているのが、消費増税によって引き起こされたと考えるのが妥当な、景気の冷え込みです。個人消費が冷え込み、企業の新規設備投資が冷え込み、マクロとして景気後退が明らかになりました。

 

さらにここにきて追い打ちをかけてきたのが、新型コロナウイルスの感染拡大による経済活動の停滞です。営業をしなければ新しく資金の獲得はできませんし、その一方で家賃/人件費といったコストの支払いで資金が流出していきます。

 

このような事態から、弊社関与先でM&Aの最終的な交渉を行っていたにも関わらず、廃業を選択された企業が出始めました。

M&Aか、廃業か

弊社はM&Aの仲介や助言を生業としているため、弊社としてのポジションとしては「M&Aをやりましょう!」と言いたいところではありますが、そこは冷静に判断する必要があるものと考えています。なぜなら、あくまでM&Aは経営者にとってとりうる「手段のひとつ」であるからです。そのため、両者のメリット/デメリットをしっかりと把握し、それによりどの選択肢をとるのが最適か(もうひとつの選択肢は、「引き続き独力で経営を続けていく」というものです)、ご一考いただく材料となれば幸いです。

M&Aのメリット/デメリット

メリット


・事業を継続することができる。また組む相手によっては事業を発展させられる可能性がある。

 

・従業員の雇用を現状のまま維持できる可能性がある。

 

・取引先との継続的関係を維持できる可能性が高い。

 

・借入の連帯保証から外れることができる。

デメリット


・相手が見つかるまで時間を要する可能性がある。また、事業内容や経営状態によっては相手先が見つけられない可能性がある。

 

・M&A仲介会社/助言会社への手数料が発生する。

 

・実行のタイミングを経営者自身で決めることができない(相手ありきの話であるため)。

 

・M&A仲介会社/助言会社をしっかり選ばない場合、「譲渡を検討している」という情報が外部流出する可能性がある。


廃業のメリット/デメリット

メリット


・経営状態や資産の状態によっては、ある程度の資産をオーナーとして守れる可能性がある。

 

・実行のタイミングを経営者自身で決めることができる。

 

・倒産とは違い、廃業の場合は社会的な名誉を保つ事ができる。

デメリット


・清算後、借入が残る場合は代表者として保証債務を負う可能性がある。

 

・従業員の働き場所が失われる。

 

・取引先に対して適切な引き継ぎ先を見つけられない場合、迷惑や負担をかける可能性がある。

 

・急ぎの資産売却の場合、価格交渉で足もとを見られう可能性がある。


まとめ

M&Aと廃業について、主だったメリット/デメリットについて記載をしてきました。

 

M&Aは事業の継続や発展という大きなメリットがある一方で、相手ありきの話であるため経営者自身ですべての意思決定を行うことができず時間を要する可能性があるという大きなデメリットがあります。

 

廃業は経営者自身のタイミングをもってすべての意思決定を行うことができる(ただし資産売却が必要な場合には相手ありきのため時間を要する可能性があります)一方で、従業員や取引先に負担を強いる可能性があるというデメリットがあります。

 

このような経営環境下においては、早め早めに意思決定を行うことが求められます。廃業はいつでも経営者自身の判断で行うことができるため、その選択をセーフティネットとして留め置きながら、M&Aの可能性を模索するのが良いと私は考えています。

 

弊社はお問い合わせから、24時間以内(このような状況下のため、休みなく対応しております)にお返事しておりますので、少しでも意思決定のために材料集めをしたいという経営者の方がいらっしゃいましたら、こちらからお問い合わせいただけると幸いです。

#32 小規模のチカラ

巨大な宇宙のはじまり

月がきれいな秋の空をながめると、東京は明るいといえ、たくさんの星がみえてくる。暑さが残る9月の空には、今でも「デネブ・ベガ・アルタイル」から成る夏の大三角形が。そのような星たちが散りばめている夜空、つまり宇宙という巨大空間の起源を探るには、非常に小さな小さな世界の話になっていくという。素粒子という、小数点以下に「0(ゼロ)」がいくつも並ぶ非常に小さな世界の話しだ。おおきなものの起源、そして構成するものはこの小さな世界で説明されていくのだ。

小規模の案件へのこだわり

一方、日本経済という大きなものを支えているのは、中小企業や小規模事業である。中小企業庁によれば、このような事業の事業承継を放置した場合、2025年までに22兆円のGDPが失われる。大企業や中小企業でも比較的事業規模が大きい(売上が30億円以上等)案件については対応できるプレーヤーがいるものの、小規模の案件については対応できるプレーヤーが非常に少ない。この「小規模案件」という領域でお役に立つことで、私どもは世の中に貢献したいと考えており、そのために案件によっては譲渡希望の企業から手数料をいただかない場合もある。「なによりもまず、事業承継を実現させたい。」という思いが強い。夜空を眺め、その思いを再確認する。

#32 一般的な情報と個別の状況

M&Aに関する一般的な情報

M&Aに関する仲介やアドバイザリー会社が増えてきたことや、M&Aに関する情報を広く取得できるようになったからこそ、一般的な情報が独り歩きしているケースがあります。

 

例えば・・・

 

①少なくとも利益の5年分と純資産額との合計額で譲渡できますよ!

 

②IT関係の会社は強気の価格をつけても譲渡できますよ!

 

などなど。

 

さて、このような一般的な情報はあなたの会社にも当てはまるのでしょうか?

個別の状況で考え方が変わる

さきほど例としてあげた一般的な情報は、以下の状況によって変わってきますので、一緒に考えていきましょう。

 

①少なくとも利益の5年分と純資産額との合計額で譲渡できますよ!

 

一例として不動産に関する事業で考えてみましょう。

 

A社は不動産の売買仲介を行っている企業で、毎月の売上が安定していませんが、現状ではしっかり利益が出ている。

 

B社は不動産の賃貸管理や施設管理を行っており、毎月安定して利益があがっており、毎年契約件数も増えている。

 

さて、上にあげたA社とB社では譲渡金額の考え方が変わってきますが、感覚的にご理解いただけるところがあると思います。

 

A社はフローでの収益構造となっており、営業マンに数字が紐付いています。そのため、買収した後に営業マンの退職等により収益が悪化する可能性もありますし、なにより毎月の収益が不安定な状況にあります。企業として競争力があり、事業が標準化されている場合はそういった状況を加味して評価をすることが可能ですが、中小企業の場合はそのような評価を行うことは難しいと考えます。そのため、5年分の営業利益を積み上げることは難しく、もっと短い期間での営業利益分で譲渡価格が決まってきます。

 

他方B社の場合には安定的な収益構造となっているため、5年分あるいは内容によってはそれをこえる評価を行える可能性もあります。

 


②IT関係の会社は強気の価格をつけても譲渡できますよ!

 

さて、このような一般的な話の場合はどうでしょうか?

 

やはり事業構造をしっかりと理解することは必要ですね。webページの制作をひたすら営業力をベースにして行っているIT企業と、あるいは保守等で安定的なストック収入や、サブスクリプションモデルで安定的なストック収入を得ているIT企業とでは考え方が大きく変わってくることは、先程の説明からもご理解いただけることと思います。

 

このように、しっかり個別の事業内容や事業の状況によって評価額は大きく変わってきますので、客観的に事業の構造を理解することが非常に重要です。

一般的な情報だけに流されない

会社や事業を譲るという経験は、何度も経験するようなものではありません(連続起業家等は別ですが・・・)。

 

だからこそ様々な情報を取得し、悩み考えるものだと思います。

 

ただし一般的な情報だけに流されてしまうことは危険であり、しっかりとご自身の事業構造を客観的に評価することが重要です。

 

一般的な情報のみをもとにして評価額を出してくるようなM&AアドバイザーやM&A仲介業者ではなく、しっかりと事業構造を理解した上で評価額を出してくてるM&AアドバイザーやM&A仲介業者を選ぶことが肝要です。

 

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