弊社は今まで売り手の会社を探してM&A案件を成就させるというビジネスモデルでしたが、ここ2年ほどはPMI(M&A後の組織統合)案件で、買い手の会社から相談を受けることが増えました。
勢いでM&Aを行ったものの、なかなか組織統合が進まない。そういった悩みを抱えている会社が実は山のようにあるという実感を持っています。
PMIを見据えたM&Aで大事なことは何か
ずばり、「ビジョンや会社がもつ戦略との整合性で、過半数が積極的に納得する取引であるかどうか」です。
私がPMIの話をする際に、必ずと言っていいほどこのような質問をされます。その場でいつも上のように答えてから、具体的な話を始めます。
つまりは、「自分たちがどういう会社であるかを理解し、自分たちの会社の目指していく姿に照らしあわせた時にどうしても必要だと考えるからM&Aを行う。」という感覚を正常に持てているかどうかが大事だということです。
ただ単に規模を拡大するためにM&Aを行う、あるいは儲かりそうな事業だからM&Aを行う、そういった経営者の独断によるM&AであればPMIがうまくいかない可能性が高まります。なぜなら、そのようなM&A取引の場合、従業員が「に落ちて多少一時的に仕事が増えたとしても積極的に関わっていこうという思いを持ちにくいからです。PMIを成功させるためには、社長はもちろんのこと積極的に関わる従業員がカギになってきます。
まずは何をするか
私がPMI案件でまずすることは、会社が目指している姿や、その姿にどのようにしてなろうとしているのかという点の整理です。一般的に言われる、ビジョンと戦略というやつです。
ここが全ての軸になりますので、徹底的に経営者と対話を行いこの2つを詰めていきます。その上で現在考えている、あるいは実行に移したM&A案件の位置づけを検討します。
自分たちがどういう姿を目指していて、その上でこのM&Aがなぜ必要だったのか。役員や従業員が理解でき腑に落ちるような位置づけを探っていきます。実はここで位置づけや意味付けを間違ってしまうと、どんなに良い打ち手をうったとしても、うまくいかないことがあります。それだけ、慎重に、そして時間をかけてこのあたりの調整を行っていきます。
そこからいよいよ、制度デザインをし、具体的な打ち手をうち、人を動かしていくという段に入って行くわです。
ではどうやって制度デザイン等を行っていくのか。このあたりはまた別の機会に、共有していきます。
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