PMIとは?
PMIとは、Post Merger Integrationの頭文字をとったものであり、平たくいえばM&A後の組織統合について様々な計画や施策を考え実行していくことをいいます。
M&Aの売り手(譲渡側)は売却の時点をもってゴールを迎えますが、M&Aの買い手(譲受側)は買収した時点からスタートを切っていくわけです。
その中で「いかにうまく文化の違う組織を統合していくのか?」と言うのは、非常に重要な論点になります。
対話の重要性
上場してる会社同士、大規模のM&Aを行った後は必ずといっても過言ではないほど組織の統合でつまづきます。特に対等ではないのにも関わらず言葉だけ「対等」というものを使っている案件は、ひどいものです。
そんな中で、非常に上手に統合を進めている会社もあります。
さてそういった会社の特徴は何でしょうか?
事例として研究した会社があり、その会社の担当者にヒアリングを行ったところ、ポイントは「対話」にありました。しかもその対話は、強制的に場を作られて行われる対話です。強制的という言葉から連想するに良いイメージをもちませんが、この会社は強制的にお互いの会社の社員が同士が対話できる場を作ることで組織同士の融合を進めていきました。
対話の場が開かれると、お互いが業務について話をします。そうすると、お互いが行っている業務自体の差(違い)であったり、さらに対話が深まっていくと業務の背景にある価値観や前提の差(違い)についても理解が進みます。その上でこれからどのように進めていくか議論が行われ、方針が決められていきます。
トップダウンで業務をこうするんだ!という方法を取らず、あえて現場レベルにしっかり対話の場を確保することで業務の統合を図っていこうという思想背景がこの会社にはありました。
何事もお互いのことをわかる、理解する機会がなければ、ほんのすこしの差(違い)だけで関係が崩れうまくいかないことがあります。こういったことを回避させるために、やはり強制的にでも対話を行う場を持つことは必要だと感じた事例でした。